ヒートショックとは?冬の健康リスクを理解する
ヒートショックは冬の寒い時期に最も警戒すべき現象で、室内の急激な温度変化が原因で起こります。このリスクを最小限に抑えるため、部屋間の温度管理が非常に重要になります。特に、脱衣や入浴時に起こりやすく浴室やトイレの温度差は、心筋梗塞や脳卒中などの重大な健康リスクの一因となり得ます。この記事では、ヒートショックを防ぐための高気密高断熱住宅の利点と、家庭でできる具体的な対策を詳しく探ります。
高気密高断熱住宅でヒートショック対策を実現
高気密高断熱住宅はヒートショックを防ぐ上で効果的な解決策です。これらの住宅は、外気の冷たい空気の侵入を阻止し、屋内の温かい空気を保持する設計になっています。その結果、屋内の温度は一定に保たれ、急激な温度変化から身を守ることができます。このようにして、ヒートショックのリスクを大幅に下げることが可能です。
高気密住宅では気密測定は当たり前
気密測定とは住宅の隙間の面積を専用の機械を使って計算することです。この計算によって割り出された気密性の値をC値と呼びます。C値は0に近いほど理想とされ、一般的にC値=1.0㎠/㎡を切るくらいの住宅であれば気密性が良い住宅とされる中、弊社では全棟でC値=0.2㎠/㎡以下を実現しています。隙間が限りなく0に近い住宅なので、外気は入りにくい上、外にも漏れにくく部屋間の温度差がないためヒートショックのリスクも限りなく0に等しいのです。
C値が悪いとどうなる?気密の悪い家で起こる悪影響
C値はいわば住宅の隙間なので、数値が大きければ大きいほど隙間風が入りこんでいる住宅と言えます。隙間風が入り込むと当然「寒い」のですが、その他にも気密性の悪い住宅では以下のような悪影響が考えられます。
エネルギーロスにつながる
1つ目は隙間が大きいと「エネルギーロス」になります。隙間風が入ってくるので冬は寒く、夏は暑いためエアコンをガンガン運転しないといけなくなります。とても省エネとは言えませんよね。
計画換気ができない
2つ目は隙間が大きいと「24時間換気による計画換気」ができません。
当然ですが気密性能が低いと、その隙間から空気が出入りしてしまいます。
「これが換気になるのでは?」と思うかもしれませんが、逆に家に隙間があると、意図しない空気の出入りにより、換気システムが当初の計画通り機能しなくなってしまうのです。そしてこれにより、換気が不十分な状態になると、空気は澱(よど)み、CO2濃度も上がり、ハウスダストは増え…、と健康被害にもつながりかねないわけです。
断熱材の劣化を早める
3つ目は隙間が大きいと「断熱材の劣化」を早めてしまいます。気密には「断熱材の補完」という役割があります。断熱材の性能を100%発揮させるためにも気密性は必要となります。
壁内結露が発生し、家の寿命が短くなる
4つ目は隙間が大きいと「壁内結露を発生」させてしまいます。
家に隙間があると、特に冬場は隙間から空気が漏れ(漏気)、この漏気によって壁内が冷やされ壁内に結露(内部結露)が発生してしまいます。そしてこの内部結露は「壁の中」なわけですから、濡れたまま放置されることで次第に木材が腐り、シロアリをおびき寄せて家の寿命を短くしてしまいます。
家庭で実践できるヒートショック対策
断熱改善
窓やドアの隙間を埋め、断熱材を追加することで、家の断熱性能を向上させます。
温度調節
各部屋に適した温度設定を施し、暖房器具を効果的に使用して、温度差を抑えます。
スマートホーム技術
家全体の温度を自動管理するスマートサーモスタットを活用し、一定の室温を維持します。
定期的メンテナンス
暖房システムや断熱材の状態を定期的にチェックし、効率良く機能させるためのメンテナンスを行います。
家族とのコミュニケーション
入浴前は、ご家族に入浴することを一声掛ける習慣を身につけましょう。いつもより長く入浴している場合など、もしもの状況に対してもご家族がすぐに気が付けます。
脱衣所や浴室を暖めておく
ヒートショックは温度差で起こります。居室に比べ、脱衣室や浴室が寒いと感じる場合は暖房機器を取り付け、あらかじめ暖めておくことで温度差が低減します。
ヒートショック対策の必要性
日々の生活においてヒートショックから身を守るためには、予防策を講じることが重要です。高気密高断熱の住宅設計は、急激な温度変化を抑制し、安全かつ快適な居住空間を提供します。また、家庭での簡単な対策も、ヒートショックのリスク低減が期待できます。
まとめ
ヒートショックは、冬場における急激な温度変化によって引き起こされる健康リスクです。高気密高断熱の住宅設計による対策や、家庭での適切な温度管理を行うことで、リスクを軽減することができます。安心して快適な冬を過ごすために、ヒートショック対策をしっかりと実施しましょう。