電気代が削減できる住宅設計手法“パッシブ設計とは”

目次

パッシブ設計とは?

パッシブ設計の特徴

パッシブ設計とは、太陽の日射(光や熱)や、自然の風を上手に利用して、地球環境に負担をかけず自然エネルギーを利用する省エネ住宅を設計する手法です。

太陽の日射エネルギーは、お金がかからないので積極的に利用しない手はありません。 

建物の方位を考える

南向きの土地や、日当たりが良い家が一般的に好まれますね。

ですが、世の中には一つとして同じ土地はなく土地の方位も様々です。

土地の場所や大きさによっては建物を南に向けることができる事例ばかりではありません。

また南向きに家を建てても、周囲の建物の状況次第では日当たりが悪い場合もあります。

こうした場合、多種多様な土地にあわせてその土地の特性を理解し、その土地でベストな太陽との向き合いを考え設計する事が大切です。

パッシブ設計を成立させる為に大切なシャドーチェック

シャドーチェックとは季節ごとに建物への日差しの入りかたをチェックする方法です。 夏の太陽高度く、冬の太陽高度は低いです。ですから建物への日差しの入り方が季節ごとに変わります。

ワカバハウスでは夏と冬、10時~14時に建物に日差しの入る角度や時間帯をシャドーチェックで事前に把握することで、夏は建物に日差しを入れない工夫、冬は建物に日差しを入れる工夫ができます。

建物にきちんと影ができていれば夏の暑い日差し(熱)をカット出来ているということになります。

日差しをコントロールし、無駄に冷暖房エネルギーを使わない設計の為の大切なポイントです。

対して冬の時期には夏と同じ10時~14時の時間帯に窓に日差しがあたっているかのチェックを行います。

日差しがあたっていればあたたかい自然光を取り入れられている事になります。

光熱費が削減できる設計技法と実際の光熱費

夏のパッシブ設計

夏の太陽は一番高い時、地面に対して約78度の角度で日差しが降り注いでいます。

その際に軒や庇を出し窓に影をつくることにより、家の中に強い日差しや熱が入るのを防ぎ日よけ効果をつくります。

冬のパッシブ設計

冬の太陽は一番高い時、地面に対して約30度の角度で日差しが降り注いでいます。冬の日差しは軒や庇の下を通って室内に降り注ぎます。

冬は、日差しの熱を室内に閉じ込め暖かさを維持します。

特に1階窓から床部分に太陽の日差しがあたると床が温められ、床暖房の様に暖かい空気が上昇し建物全体に温かさが広がります。

中間期でのパッシブ設計

春分や秋分といった中間期は、地面に対して約55度の角度で太陽の日差しが降り注ぎます。

特に秋分の日差しには夏の暑さが日差しに残っている為、どのように日差しを防ぐかが重要です。この場合屋外にアウターシェードやブラインドを設置して外からの日差しを建物に入れないようにする事で対策できます。

パッシブ設計を取り入れた住宅の光熱費実例

ここではここでは実際の光熱費の金額を比較してみます。総務省統計家庭調査報告書によると、二人以上  世帯の電気代月平均は12008円、ガス代は月平均4745円、その他光熱費を合計すると家族構成2人以上での月平均は、23111円となっております

https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html#nen(出典:総務省家計調査から引用)

次に、パッシブ設計を取り入れた住宅の場合の光熱費をみていきます。

例 ワカバハウス施工・茨城県M様邸

家族構成は4人オール電化で月平均8046円

※オール電化の為、給湯や調理器具の使用料も含まれます。

総務省統計家庭調査報告書のデータと比較をすると、世帯人数が上回るうえオール電化にもかかわらず、月平均が約4000円も下回っています。年間で考えると、電気代だけでも約48000円の節約と言えるでしょう。

パッシブ設計のメリット

冷暖房費が節約できる

夏の日差しを避けて、夏は涼しく冬は日差しを取り込み暖かく過ごせるように、建物に対する日差しをコントロールできると空調機器を利用する頻度が減る為、冷暖房費用を節約できます。日差しにより室内が明るくなり、照明を利用する時間も減らす事ができます。

365日快適な室温

その土地にあった方角や周辺環境の特徴を理解したうえで設計をすることにより、パッシブ設計を実現し季節ごとの対策ができます。それにより一年中、常に快適な室温を実現できます。

高気密高断熱との相性

日射や環境を考慮したパッシブ設計には断熱・気密性能をかけあわせることにより快適な室内を作ることができます。

外からの日差しをコントロールし、熱の出入りを制限することで、隙間なく充填された断熱材がより高い断熱効果を発揮します。熱の出入りを制御し夏は外の熱を遮り、冬は中の暖かさを逃がさない為家の中はどんな季節でも一定の温度を保つことができます。

パッシブ設計のデメリット

サッシ選びも重要になる

その地域の風土、季節によっての変化について住宅会社が詳しく調査し、窓ガラス・サッシを選ぶ必要があります。

日差しを調整するうえでも窓ガラスの選び方(日射遮蔽か日射取得か)は重要で熱の出入りをコントロールできる高性能な物を選ぶ必要がある為、結果コストが上がってしまいます。

土地の状況に合った設計が必要

土地の形、方角はそれぞれ異なります。日差しを十分確保することが厳しい場合もあります。東向きや西向きの土地もたくさんあり、どのように日差しをコントロールするかそれぞれにあわせた方法で設計する必要がある為、シャドーチェックを実施している会社、施工実績のある会社を選ばなくてはなりません。どの会社でも対応している訳ではないのでパッシブ設計を希望する場合は事前に施工会社に問い合わせるといいでしょう。

パッシブ設計に詳しい住宅会社が少ない

パッシブ設計を取り入れるには、それぞれの土地にあった設計が必要です。

設計技術があるだけではなく施工棟数や実績がある会社を選ぶ事が大切です。

またパッシブ設計は、高気密高断熱住宅と相性が良く、より省エネな暮らしをしたい方はおすすめです。

判断基準のひとつとしてUA値、C値といった住宅性能がどのくらいなのか、年間平均使用エネルギー(kWh)建物の省エネルギー性能指標(BEI)などを、ハウスメーカーや工務店に問い合わせてみるのも良いでしょう。

ワカバハウスではパッシブ設計を行ううえで、高気密・高断熱を大切にしており、毎回、気密測定を実施しております。

原則UA値0.26以下、C値0.2以下を基準としています。

まとめ

光熱費が高騰していく中、これから家を建てる際に大切なのは必要最低限のエネルギーで快適に暮らせる住まいにすることです。

自然のエネルギーを最大限利用して冬は室内に陽だまりをつくり、夏は日差しをさえぎる設計を実現させる事で日差しをコントロールでき、電気や灯油を使わず省エネルギーで快適な暮らしを実現できます。

また光をうまく取り入れる事で照明をつける時間を減らすことができます。

住宅の長寿命化が進む昨今、設備機器に頼らずに快適な暮らしをしたい方はパッシプ設計がおすすめです。

家づくりにパッシブ設計をとりいれたいとお考えの方は土地探しからも一緒にお手伝いしている、つくばのワカバハウスへぜひご相談ください。

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